皆さんは裁判に参加した経験はありますか。
私はありません。
実際の裁判の様子は撮影が禁止だそうで、法廷画家と呼ばれる職種が生まれたのもその影響のようです。
最近、逆転裁判と言う弁護士が裁判で争って無罪を勝ち取るというテーマのゲームを、実際の弁護士であるお笑い芸人が実況するという動画を見ています。
(情報が交通事故を起こしていますが)
動画内では、実際の裁判の様子とゲームの裁判の様子の相違点などを語りながらゲームを進めてくれるので雑学が増えていきます。Youtubeにありますので、興味のある方は探してみてください。
今回は、そんな裁判にまつわる小説を紹介します。
タイトル:ソロモンの偽証
著者:宮部みゆき
クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か、自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行"を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった――。ひとつの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、真実を求める生徒たちを描いた、現代ミステリーの最高峰。
出典:Amazon
評価:★★★★★
レビュー:
私の中でたまに怖いミステリーを書くことで有名な宮部みゆきさんですが、本作は中学生による学校内裁判が主題となっています。
主人公たちの同級生が転落死をしてしまい、他殺か自殺か分からないままもやもやした毎日を過ごしている時、転落死した同級生は別の同級生に落とされたと記した手紙を受け取ります。
果たして、いじめが原因で殺されたのか、また自ら死を選んだのか。主人公は卒業制作として学校内裁判を行い、真相を明らかにしたいと立ち上がります。
今作、長いです。
文庫本で計6冊の大作です。私は長ければ長いほど良いと感じる派です。長くその世界に浸っていられるからなんですが、今作は長編ミステリーという形で話が進むため、早く真相が知りたいけれど長くゆっくり読みたいという葛藤がありました。
中学生が学校内裁判と聞くと、学芸会のような「お遊び」のように聞こえますが、本格的に役割を決め、証人を呼び証言させます。裁判を始めてもすぐには上手くいかず、保護者や教師からの反対などが原因で裁判シーンでもゆっくりゆっくり話が進むため、読者も緊張感を持ちながら話に引き込まれていきます。
中学生にしては話がうまく進みすぎると感じてしまう部分もありましたが、矛盾なく裁判も終わり、しっかりした真相に満足できる作品でした。
中学生の雄姿を追いたい方、事件の真相を長くゆっくり解き明かしたい方におすすめです。
ランキング参加中です。よろしくお願いします!