タイムリープ、ドッペルゲンガー、と聞くとターミネーター2を連想します。
タイムリープというよりは、未来から過去に人がやってくると言う話ですが、自分の母親が実はサイボーグも変装だったというシーンはトラウマでした。
『寄生獣』にも似たようなシーンがありますね。
読んだ、見た当時は周りの人の中にそういう人がいるかもしれないという恐怖で寝られないといった青春を過ごしたこともありました。
今日はそんな雰囲気を持つ漫画を紹介します。
タイトル:サマータイムレンダ
著者:田中靖規
幼馴染の潮が死んだ――。その報せを聞き、故郷の和歌山市・日都ケ島に帰ってきた慎平。家族との再会。滞りなく行われる葬儀。だが島にはある異変が…? ひと夏の離島サスペンス!!
出典:Amazon
評価:★★★★☆
レビュー:
ジャンプコミックスの王道はほとんど手を付けているので、なぜこの漫画を知らなかったんだろうと思い調べてみると、「少年ジャンプ+」というスマホアプリで配信されていたウェブ漫画だそう。
物語は和歌山県のある島が舞台になっていて、帰郷した主人公が幼馴染の死の真相を暴いていくと言うお話。
ドッペルゲンガーは自分とそっくりな人に出会うと死んでしまうと言われる都市伝説
タイムリープと言うとある過去に戻り、違う行動を取ることで未来を変えるという話
この2つが融合された物語です。
タイムリープ物と言うと、交通事故や自然災害のような主人公が未来を変えるため行動する目的が割とはっきりしていることが多いです。
しかし、非現実的な死を遂げた幼馴染を救うために過去に戻ったはいいものの、何をすればいいのか分からない、というところから始まるため、交通事故が題材のタイムリープものよりももう1歩楽しむことができます。
特に、真相が主人公にもずっと分からないままタイムリープを繰り返すため、読者のハラハラドキドキは進みます。この点はミステリー要素がありました。
大きな2つのテーマがある物語は後半に進むにつれてどちらかが疎かになる作品を見かけますが、本作は最後まで上手に融合させたまま終わらせていました。
タイムリープものの残念な点は「死が軽く」なってしまい、だんだん「どうせ助かるんでしょ」という意識が芽生えてきます。この点は復活する手段がある漫画に良く見られるので仕方ないですが、最初の衝撃はだんだんと薄れて行ってしまいます。
ただ、本作はこの点もうまく処理していて、興味深かったです。
タイムリープ、ドッペルゲンガー、ミステリー漫画というジャンルが好きな方におすすめです。ぜひ、死が軽くならない工夫を確かめてみてください。
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