以前にも触れたかもしれませんが、大賞に選ばれる本は前評判が良いのでしょうか。それとも、本当に審査員の目に留まって大賞に選ばれるんでしょうか。
どうやって星の数ほどある本の中から面白い小説を見つけ出せるのか。もしかしたらハズレかもしれないと考えるとなかなか無名の小説に手を出せません。時間もないので、何かしら受賞している本を読む方が確実だと思ってしまいます。
たまには、前情報も前評判も何もない小説を読んでみてどういう感想になるかやってみないとレビューブログとして面白みがないなとは思っていますが。
さて、今日は本屋大賞ノミネート、このミステリーがすごい2023年版1位、ミステリが読みたい2023年版1位という本を紹介します。
タイトル:爆弾
著者:呉勝浩
このミステリーがすごい!2023年版 国内編第1位!
ミステリが読みたい!2023年版 国内編第1位!東京、炎上。正義は、守れるのか。
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。出典:Amazon
評価:★★★★★
レビュー:
少し長めだったので一気読みは難しいかなと思い、読み始めましたがじわじわと近づく気持ち悪さが拭えず、一気読みしました。
酔っ払いが自動販売機を叩き、警察に捕まります。
取り調べ室で霊感が強いという話をぽつりと語りだし、霊によるともうすぐ爆弾が爆発すると言い出します。
最初は酔っ払いの戯言だと無視しますが、実際に爆弾事件が起こります。
すると、「次は1時間後に」と酔っ払いは言い始めます。
果たしてこれは、本当に霊感なのか。それとも、この男が爆弾事件の犯人なのか。
というストーリー。
物語のほとんどは、警察と酔っ払い男の会話が行われる取調室で進みます。この酔っ払い男の話し方がじわじわと気持ち悪さを感じさせます。事件を仄めかす話をすると思えば、肝心なところは「霊の知らせ」と言い、なかなか話が進みません。
それでも、次の爆弾のありかをその会話から導き出し、捜査に向かう警察と最後まで言い逃れようとする酔っ払い男の会話劇。
静かに物語は進みますが、緊張感があるミステリでした。
会話の節々から謎を読み解くミステリが好きな方、おすすめの1冊です。
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