小説を読む速さは人それぞれですが、速読のように地の文をすっ飛ばして読む時があります。会話文を上手に描き分けている作品では、誰が話しているか分かりやすいのでそれでも内容は理解できます。
また、展開が気になるので早く読み終わりたいという気持ちが強いです。じっくり読みたい本もありますが、積み本が多いので1冊に時間がかけられないのが実情。
お金を払って買った本はじっくり読んで、図書館で借りた本はさくっと読むのもまた実情。
さて、今回は以前、そのスピード感が心地良いと紹介した『ドミノ』の続編を紹介します。
タイトル:ドミノin上海
著者:恩田陸
「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い路地裏の骨董品店に緊張が走った。門外不出のお宝が闇のルートで輸入されたのだ。虎視眈々と狙う店主だが、なぜか問題の品は、人気急騰中のホテルの厨房に流れ着いていた……。かつて東京駅で数奇な運命を共にした面々に、一癖も二癖もある人物たち、さらには動物園脱出を目論むパンダも加わって、再び運命のドミノが倒れ始める! 予測不可能、爆笑必至のパニックコメディの金字塔!!
出典:Amazon
評価:★★★★☆
レビュー:
タイトルにある通り舞台は上海。
様々な登場人物がドミノのようにパタパタと事件の連鎖を起こします。まったく関係のない物語同士が些細なところで関連していく、という構成です。
ざっくりと挙げると、
・闇の取引をする組織
・映画撮影に来たアメリカクルー
・デリバリー寿司店を始めた日本人
・動物園から脱走したいパンダ
などなど
個性豊かな登場人物が交差していきます。
作者も混乱しないのかなと感心するほどそれぞれの物語が自然に展開いされていきます。
途中、いくつか予想通りと言うか「ああ、こういう勘違い劇が始まるな」という展開がありました。その予想しやすい展開からまた違う展開がどんどん押し寄せてくる疾走感が堪りません。
ちょっと列挙した最後の脱走したいパンダだけが異彩を放っていますが、死んだあと霊になって浮遊するイグアナも出てくるので途中から気にならなくなります。
ドタバタと言う言葉が非常に合う作品でした。
疾走感やスピード感を感じてみたい方、一気読みがおすすめです。
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