週末は株の取引所がお休みのため、何も動きはありません。そのため、今日も読書レビューです。
一九三三年、私は「天皇」と同じ日に生まれた――東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上野駅に降り立った男の壮絶な生涯を通じ描かれる、日本の光と闇……居場所を失くしたすべての人へ贈る物語。
出典:Amazon
こちら、芥川賞受賞作家の作品として世界から賞賛されています。
ただ、私は芥川賞か直木賞かで問われると、直木賞派で、なかなか純文学に手が出せないタイプの人間です。
個人的な印象では、芥川賞は芸術、直木賞はエンタメというざっくりした分類になるでしょうか。今回のこの本は前者でした。
内容はホームレスにインタビューをして書いた話です。私は関西出身で東京は数えるほどしか行ったことがないので、本作に出てくる地名や地理があまり分かりませんでした。東京の地理が分かっているともう少し楽しめたかもしれません。
基礎知識としてJR上野駅公園口にホームレスが多いということすら持ち合わせていませんでした。
話の進行として、誰が何を話しているか分かりづらく、これは完全に私の読解力のなさが原因なんですが、終盤まで登場人物がはっきりしませんでした。こういうことが起こりうるので純文学は時間をかけて「本を読んでいる時間を楽しむ」という気持ちが大事なのかなと感じます。
ストーリー性はなく、主人公がホームレスになるまでと、なってからの話が混在しながら進んでいて、読みづらいという印象でした。読みづらいからこそ、読み応えがあるのかな、純文学というのはこういう感じなのかなと思うような作品でした。
純文学を読めるようになる、というのが一つの目標ではありますが、純文学を読んでからそれを理解しようと言う気力まではまだ行かないかなと思いました。このレビューを始める際に、普段読まない本を読んでいこうと考えていたのですが、案の定苦手レビューが続いています。
インタビューに基づいていて、その他の史実も入っているので小説というよりはドキュメンタリーにもなっているように思います。どきどきわくわくはないですが、文学作品として入るならまずは大賞受賞作家の作品から始めるのは良いかもしれませんね。
ミステリーばっかり読まずに、もう少し純文学に挑戦していきます。
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